金環日食 ~国民総恒点観測員~ 

【前日】


雨だったらムダになるからと日食観察グラス購入は見送っていた。
天気は大丈夫そうなので今日買いにいったら売り切れ続出だった。
考えることは皆同じ。何軒か回って少しだけ残ってた。無事ゲット。
やはりメガネといったらこれだよな。今こそ恒点観測員の出番だ。



【で当日】


どんより雲が広がっているが、今のところ観察できそうだ。
SONY DSC-HX1に観察グラスを貼り付けて暗幕で覆った。


金環日食
6:38 太陽が欠けてきた。フィルター買わなくてもバッチリ写せた。


金環日食
7:04 なんか雲が厚くなってきたぞ。いやな予感。


金環日食
7:25 太陽どっかいってしまった。あと5分で金環日食なんだけど。


金環日食
7:32 ダメかと思ったら雲の隙間から数秒だけ見え、近所から歓声が起こった。


金環日食
7:36 ピークは雲の中だったが、終わりかけにも少し見えてよかった。


金環日食
7:37 金環日食おしまい。結局フィルターなしで撮影してしまった。


金環日食
7:42 天気が回復してきた。次は18年後?だそうです。

全国の恒点観測員の皆さん、日食はいかがでしたか?
本日はこのために午後出勤だが、もう一日終わった気分。

日食の日時や場所を予測できるって人間ってすごい。
何十億年も規則正しく動き続ける宇宙はもっとすごい。


ブログ開設五周年記念日 

ついに5周年です。見てくれる人どうもありがとう。



Boys be ambitious
わかってますよ、わかってますってば。

日本地図の迷宮 ~行くアテを探して~ 

「あ~あ、どっかに出かけたいなぁ。」

漠然とそう思うものの、パッと行き先が思いつかない。
だからと言って、わざわざ調べるのも面倒くさい。
そのうち「無理して出かけることもないか。」となる。

なんてことはありませんか。

るるぶやまっぷるはある程度行き先を絞って見るものだし、
かといって地図帳だけではどこが見どころかわからない。


地図の迷宮
そこで、お手軽に”行くアテ”を探せるのがこの『日本地図の迷宮』。
副題の『あそべる図鑑絵本』の名の通り、地図を題材とした絵本だ。
日本地図上に迷路・さがし絵・かくし絵・クイズが盛り込まれており、
楽しみながら、日本各地の特色を学べてしまうというのがウリである。


日本地図の迷宮
最近は迷路形式の絵本が人気らしく、少々乗っかった感はある。
どうせなら迷路も高速道路か鉄道を使えばもっと良かったのに。
迷路やクイズは簡単なので、何度も何度も遊べるものではないが、
この本の価値は、地図上にたくさん描かれたイラストにある。
どこにどんなものがあるのかが、非常にわかりやすいのだ。
見てみたい、食べてみたいものがきっと見つかるだろう。

当然ながらオシャレなショップやレストランなんかは載っていないが、
そんな流行り廃りとは無縁の日本古来の自然・文化が盛りだくさんだ。
県の特産物、景勝地、建造物、お祭り、動植物、著名人などなど。
地域の多様性が良くわかる。文章は無くても地理の勉強になる。
それにしても、各都道府県のことを実はよく知らないのだなと気付く。

例えば「栃木県といえば何?」と問われても、意外に出てこない。
「えーと、日光、餃子、いちご・・・あとなんだっけ?」が関の山。
これからは「栃木県といえば”しもつかれ”ですよね~。」と答えれば、
地元出身の方から一目置かれるようになる・・・かもしれない。

子ども向けなので、ふりがなが振ってあるのもいいところ。
たとえば「大谷石」はなんと読むか。簡単そうで難しい。
「おおたにいし」でも「おおやせき」でもなく「おおやいし」。
地名は難しい読みをさせるものが多いので助かる。

ところで、買ったばかりの本に妙な愛着があるのはなぜだろう。


学習こども百科
そうだ、幼少時に読んでいた子ども向け図鑑の「にほん」の項だ。
日本にはどんなものがあるんだろう?探し出すのが楽しかったな。
イラストもかわいらしい。やたらと鉱山が多いのは時代なのか。
ちなみにどちらも学研の本。ほんと学研は面白い本を出してくれる。

子どもに地図帳はまだ早いかな。だけど日本のことは知って欲しい。
と考えるなら、この図鑑絵本は大人も一緒に楽しめてオススメだ。
地理好きとまではいかなくても、地理感覚は芽生えてくるだろう。
別に憶えなくてもいいんだよ。「なんとなく聞いたことあるな」で十分。

さーて、それじゃあこの大型連休はどこへ行ってみようかな。
でも、先立つものが無いので、机上で楽しむだけになりそうだ。


赤山地下壕 ~地層の中の地層~ 

赤山地下壕
千葉県館山市は東京湾の入り口に位置し、首都防衛上の重要拠点。
日本軍の戦争遺跡がたくさん残っており、赤山地下壕もその一つ。


赤山地下壕
毎月第一日曜日にはボランティアのガイドさんが案内してくれる。
より深く知るため一人だと心細いので、その日を選んでやって来た。
看板の地図にある黄線が見学ルート。総延長2kmのごく一部。


赤山地下壕
それでは地下壕へ。地下豪といっても山腹をくり抜いたもので階段は無い。


赤山地下壕
まずは発電設備のあった場所でかなり広い。壁はモルタルで固められている。


赤山地下壕
その奥は崩落防止のための補強がされていない素掘りのトンネルが続く。


赤山地下壕
塞がれた穴。出入口は他にも幾つかあったようだ。


赤山地下壕
照明の光熱によって植物が育っている。
内部は思ったよりもジメジメしていない。


赤山地下壕
地下壕はこの先にもまだまだ広がっている。
赤山地下壕に関する記録は少なく謎が多い。


赤山地下壕
壁のくぼみには通信機を設置してたらしい。簡易便所まで作ってあった。


赤山地下壕
地層は断面を観察するものだが、こんなにも立体的な地層は初めて見た。
地層の中にいながら輪切りになった地層を見る。もう芸術的ですらある。


赤山地下壕
受付で渡された懐中電灯では、闇の先を照らすことはできない。
この地下壕が戦闘に使われたことはなく、曰くつきではないものの、
なるべくなら一人で来たくはない。あまりにも闇が深すぎる。


赤山地下壕
ツルハシの跡が生々しい。地元民も駆り出されたという話もある。
手で掘ることができる柔らかさと、補強しなくても崩落しない固さ。
房総半島に素掘りのトンネルが多いのはそういう地質のせいか。


赤山地下壕
ところで、なぜ「防空壕」ではなく「地下壕」なのかは、
空襲が始まる戦前から掘られていたと考えられるため。
終戦を迎えたその日まで工事は続けられていたそうだ。


赤山地下壕
敵の侵入を阻止するために通路はジグザク。


赤山地下壕
四角に切り出した結果、こんな奇妙な模様も生まれた。
なんか異次元の入り口のようだ。吸い込まれそうだよ。


赤山地下壕
赤山地下壕は終戦後すぐに米軍によって接収された。
写真では読めないが、壁には「USA」のラクガキが。
今さらだけど、日本は戦争に負けてしまったんだな。


赤山地下壕
ここは天皇陛下の御真影を祀っていたという奉安殿。
米軍はその写真どうしたろうか。考えるまでもないか。


赤山地下壕
ここで折り返し。切り通しになっていた。


赤山地下壕
斜めっているのが分かる。右手が館山湾の方向になる。
その先には沖ノ島がある。地層を見比べるのも面白い。
沖ノ島の記事へ


赤山地下壕
天井の小さな穴から希望の光が差し込む。
通信ケーブルを通すための穴だったらしい。


赤山地下壕
戦後、キノコ栽培を研究するおじさんが住み着いていたらしい。
そのキノコ博士が持ち込んだボイラーやかまどが残されていた。


赤山地下壕
惚れ惚れするほど見事な断層。日本刀で袈裟斬りにしたようだ。
屋外の地層は風化したり植生に覆われたりで判りにくくなるが、
ここの地層はとてもキレイな状態で保たれている。実に美しい。


赤山地下壕
地下壕から脱出。あの中に立てこもるなんて自分には絶対ムリだ。


赤山地下壕
駐車場にも露頭が。ここいらの地層は鏡ケ浦層というそうだが、
地層の名前は地方ごとに山ほどあってとても憶えきれない。


赤山地下壕
駐車場から見えた穴もおそらく戦争遺跡。倉庫に使われていた。

赤山地下壕では、地層を観察しつつ、戦争についても考えることができる。
しかし、壕の中で一人でじっくりと思いを巡らすには、やっぱり心細い。

(2012年2月撮影)


葛生石灰岩 ~石灰岩と生きる町~ 


栃木県佐野市葛生地区(くずう)は石灰岩の町として発展。
知っているようでよく知らない石灰岩を見に行ってみよう。


葛生石灰岩
まずは葛生化石館で石灰岩について勉強しよう。
なによりも入館無料であるところがすばらしい。


葛生石灰岩
入口ではティラノくんが咆哮で迎えてくれる。
「びっくりしないでね」と言われても驚くわ。


葛生石灰岩
日本各地から取り寄せた石灰岩の標本がズラリ。
石灰といえばライン引きに使われていたせいか
白いイメージがあるが成分により黒っぽいのもある。


葛生石灰岩
こちらは堆積岩いろいろ。石灰岩はサンゴ等が堆積したもの。
葛生はマグネシウム成分が多いドロマイト(苦灰石)が特産。
製鉄所で鉄鉱石に含まれる不純物を取り除くために用いられる。


葛生石灰岩
無料なのにガイドさんがいて展示解説をしてくれる。
石灰岩の採掘中には様々な化石が見つかるそうだ。
お土産にフズリナ化石入りの石まで貰ってしまった。


葛生石灰岩
化石館で葛生地区ジオサイトマップをゲットした。
露頭なんか普通の観光ガイドにはまず載っていない。
最近は各地で地質マップが充実してきて嬉しい。
自動車で行けるか書いてあるのもポイント高い。
行ってみたものの通行禁止とかよくあるから。


葛生石灰岩
さっそくマップにある羽鶴峠へと行ってみた。
すると広大な採石場が。なんというスケール。


葛生石灰岩
この光景をどう感じるのかは人によるかもしれない。
人間に蹂躙された無残な姿だと思う人もいるだろう。
自分は、ただただ「すげーなー」しか出てこなかった。


葛生石灰岩
このもう少し先にある鉱山にはさらに圧倒された。
良いとか悪いとか置いといて、一見の価値はある。


葛生石灰岩
石灰は製鉄以外にもありとあらゆる分野で利用されている。
セメント、肥料、乾燥剤、ガラス、薬品、こんにゃく作りまで。
数え上げたらキリがないほど、なくてはならない重要な資源だ。
それが国内で自給できていることは本当にすばらしいことだ。


葛生石灰岩
何かが溶け込んでいるのでこんな色なんだろうな。


葛生石灰岩
もっとゆっくり見ていたいのだが、峠道は狭く危ない。
車に撥ねられるか、崖下に転落するかする前に撤退。


葛生石灰岩
セメント工場を見ながら次のジオサイトへ移動中。
地質と産業が密接に結び付いた鉱山町は大好きだ。


葛生石灰岩
宇津野鍾乳洞入口へ到着。石灰岩といえば鍾乳洞。
正直あまり気が進まないが、外す訳にはいかない。


葛生石灰岩
鍾乳洞案内図。無料で自由に入れる。
たいした大きさではなさそうだが、
覚悟を決めて入らなければならない。


葛生石灰岩
自分以外誰もいない。ピチョンピチョンと水の滴る音だけが響く。
何か出るとかは思わないが、落盤しないかが不安でたまらない。


葛生石灰岩
石灰岩は酸性の雨水によって溶かされてしまう。
溶けだした水がつらら上に固まったのが鍾乳石。


葛生石灰岩
苦手なくせにこんなとこばかり行ってる気がする。


葛生石灰岩
1分で奥まで到達。任務完了。そそくさと退散


葛生石灰岩
鍾乳洞の上の山を少し登ると、古びた小さな展望台がある。
熱帯の海底にあったものが2億数千万年後には栃木山中に。
理論ではわかっていてもウソみたいな話だと毎度思う。


葛生石灰岩
どんどんでてくるはたらくくるま。
ジャリをいっぱいつみこむダンプカー。


葛生石灰岩
とにかく街中どこへ行っても石灰工場だらけ。
人気の湾岸コンビナートとは異なる趣がある。


葛生石灰岩
最後に石灰鉱山跡地を整備したという嘉多山公園へ。
石灰岩の露頭を安全に間近で観察することができる。


葛生石灰岩
公園内には『カルスト広場』というのがあった。
石灰岩が雨水で溶けてできた地形の総称がカルスト。


葛生石灰岩
でもここだけに岩が残されているのも不自然に思える。
採掘の邪魔になるだろうし、他には見当たらないし。


葛生石灰岩
そこで化石館の学芸員さんに尋ねてみたところ、
公園整備の際に土に埋もれていた岩の部分を残し、
土だけを取り除いたとのこと。なるほど納得。


葛生石灰岩
カルスト地形が子供たちの遊び場となっている。
ちょうど桜が満開で、花と岩を同時に楽しめた。

これまで金山、銀山、銅山、炭鉱などあちこち行ったが、
どれも閉山していて、退廃していく町は物悲しかった。
葛生はまだ現役の鉱山であり、町の息吹が感じられた。
廃墟を見るのもいいが、やはり産業は生きている方がいい。

(2012年4月撮影)


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